【少数の育成】
「研修ではなく、一人の社員に教えて欲しい」
という依頼がたまにある。
依頼してきた社長にとって、
これはと思える腹心だったり、
これ以上は無理と腹を括る社員だったり。
つまりは、
超優秀な人の場合もあれば、
その逆もあるということ。
腹心であればそれに見合う覚悟を求めていくし、
首切りだったら、次のステップで役立つスキルや知識を与える。
表向きには、
プレゼンやリーダーシップを教えて欲しいという依頼でも、
その多くは、当人の人間力も含めて伸ばして欲しいと、
依頼されることが多い。
単なるスキルアップだけではなく、
社長からの想いや期待に応えるための
本人に足りない自覚や更なる飛躍が求められている。
そういう場合は、
私は初対面の受講生の性格や価値観を探ることから始め、
最適なアプローチを考え(褒めるとか叱るとか)
次に、学びの材料を巧みに使いながら、
本人の内側に抉り込んでいく。
時には、
「君にはこれが最後のチャンスみたいだね」
と脅かしてみたり、
「あなたには誰も気づいていない強みがある」
と持ち上げることもある。
もちろん100%嘘をつくことはないが、
相手の出方を探るための駆け引きはある。
いずれにせよ相手は私を知らない。
知らない人から指摘されるわけだから、
受け入れやすいように整えるのは当然だし、
そのうで、どれだけ「グサっと」切り込めるか。
研修と違って、ほぼ1対1の密度の濃い瞬間。
こんな機会を持たせてもらえる相手はやっぱり、
社長から大切にされているのだなと思う。