【久々のリアル】
健康面はもちろん、
研修の内容面でも自分なりに、
万全の準備で臨んだ。
実際、時間調整が難しいだろうと、
1時間プラスしても大丈夫なように、
コンテンツも余計に用意した。
結果、時間通りに終了できたし、
兎にも角にも無事に終わった。
しかし、正直に言えば、
研修の効果だったり、
最近の受講生の傾向を考えると、
制限ありのリアル研修は、
なかなか思うようにはいかないものだ。
例えば、
今回はグループディスカッションを行わなかった。
ワークも講師がファシリテーターになって、
全員で行った。
グループワークの議論で飛沫が飛ばないよう、
ソーシャルディスタンスを守って、
そう考えたからだが、
全体で行うということは、
弱者には逃げ場がないし、個人の発言時間も短くなる。
グループワークをしなければ、
どうしても講師が研修を牽引する時間が長くなるし、
話力で引っ張るから、
大人しめの受講生は受け身がちになる。
彼らの思いを汲もうと思っても、
彼らの声がマスクで遮られて聞こえづらい。
顔の半分が隠れているから、
彼らの表情も読みにくい。
普段、彼らの吐息すら聞き漏らさず、
さりげない仕草や目線や口の開き方で、
彼らの見えない気持ちを察することを是としている
僕のような講師は、
オンライン研修よりはかなりマシとはいえ、
普段通りに大胆に切り込んでいくことができない。
講師が話し過ぎれば、
今時の受講生は、受け身で流しがちになる。
それがわかっているのに、
講師の話力で引っ張らないと
テンションが保てない受講生を引き上げられない。
研修の前半は講師が多く話すが、
後半は受講生が自主的に活発になる。
そんな流れを作るのが、なかなか難しい。
枠にはめたくないから、
ノリシロの多い研修をしているのに、
自由にやらせるには現場で得られる情報が足りない。
いつもより慎重にアンテナを張る。
いつもなら10発繰り出せば4、5発は最低当てるのに、
調子良い時は7〜8割当たるのに、
今やっている研修ではどのくらい当たったか
瞬時には読みにくい。
それくらい、
相手の表情が半分見えない、
声なき声が聞こえてこないのは、
講師にとって過酷な環境なのだと思い知った。
とにかくキャッチボールがしにくい。
が、それでも投げたボールは相当考えた結果だ。
彼らがそれを普段より少ない球の行き来でも、
理解してくれていたら幸いだ。