営業マンの本音と事情 | 教育のチカラ

営業マンの本音と事情

 

最近は、メールでの営業が多いが、

先日は電話がかかってきた。

 

企業の福利厚生を外注している企業からだった。

今は社員が福利厚生のサイトで自由に欲しいものを選べるようになっている。

 

そのメニューの中には、研修やレッスンのようなものもあって、

私にもそこに加わってくれないかという営業だった。

 

サイトやブログを見て、私について事前に調査はしているようで、

やたらと「先生は他とは違う。」「できることがたくさんある」と

持ち上げてくれる。

 

また、そうした福利厚生のメニューの特に研修欄は、

お客様からのクレームも多いのだという。

 

レベルの低い講師の方だったり、

胡散臭い企業が実施していたり。

 

なので、そこを変えたい。良くしたい。

「そこで先生のお力を。。。」ということらしい。

 

しかし・・・

この手のパターンはもうたくさんあるし、

何度も断ってきた。

 

例えば、講師紹介サイト。

私は一切登録していない。

 

そこでまともな仕事が得られるとは思っていない。

ページを開けば、見たことがある顔もチラホラ。

彼らは客寄せパンダだ。

その他の講師のほとんどは、見たことも聞いたこともない。

 

今回の営業マンも、

オンラインで熱心に自分のサイトを紹介してくれたが、

魅力的な同業者はおらず、

このメンバーの中に入って自分も同列で紹介されるのは勘弁だな。

と思うものだった。

 

運動プログラムと英会話に挟まれて紹介されても、

絶対に仕事にはつながらないと思う。

それに、単価も全然違う。

1時間5000円のレッスンの中には入れない。

 

それでも熱心に話を進める営業マン。

「先生は特別だから、特別対応で価格も考慮します」

 

ほらきた。つまりこういうことだ。

彼らは私のためにページを作成して、福利厚生メニューのひとつとして紹介する。

それを見たお客さんはサードプレイスのサイトに飛んで、

信頼できるか否かを確認する。

 

「さらに、今回は特別に、仕事発生時にマージンは取りません!」

 

なんか、とてもスペシャルなオファーでもしているつもりなのだろう。

通常は107万円を最初に払って、そのサイトに載せてもらうらしい。

それが大幅割引でさらにマージン無し、だからすごいだろう?と。

 

全然すごくない。

 

そこでこう言ってみた。

「私は、自分の知識やスキルを伝えることで役に立てるなら嬉しい」

「特に北海道の企業の役に立ちたい」

「もう自分を高く売るよりも、貢献欲の方が高い年齢になった」

「移動しなくて済む札幌の仕事なら、価格は柔軟に考える」

「福利厚生用にメニューを新たに開発してもいい。」

 

「あなたは自社のサイトに自信を持って進められるメニューを加えたい」

「それに最適だと考えて私に連絡をしてきた」

「既存の講師や関連する企業の問題点も把握している」

 

「ならば、私が初期費用を負担するのではなく、仕事が発生したら利益を折半しよう」

「その方が実際に仕事が増えていけばお互いにメリットがある。」

「結果、お互いに本気になれるし、継続性も高まる」

 

「私をメニューに加えたいのなら、OKを出すからあなたが初期コストを負担してください」

「私もその対応として、自社サイトの修正、福利厚生用プログラムも作成を負担します」

 

「もし、それができないということであれば、結局あなたは、クライアントの社員に

真っ当で優秀な福利厚生プログラムを提供したいのではなくて、

目先の初期投資を出してくれるお客さんが欲しいだけ。

そのために、私を持ち上げているに過ぎない。」

 

「あなたの言う通り、私は20年の実績もあり、書籍も出し、信頼に足る講師でしょう。」

「その講師をメニューに加えることで、サイトの価値をもっと上げたいのでしょう?」

「私は、100万投資して、そのサイトで自分を紹介して欲しい、とは思っていません。」

「どちらかと言えば、その並びで紹介されるのは勘弁してほしい、と思っています」

「でも、今のタイミングで北海道メインでということなら、OKしてもいいかと思っています」

 

「熱心に営業してこられたので、私も1時間以上の時間を割いて、話をしています。」

「あなたが、初期投資をしてくれる業者を探しているのなら、これ以上は無駄です」

「本気で研修メニューを格上げしたい、と思うのなら、話を先に進めましょう」

「やるとなった場合、絶対外さない研修と福利厚生メニューを提供します」

「持ち帰ってゆっくり検討してください。」

 

まあ、十中八九、連絡は来ないだろう(笑)

仲介業者で、本気でクライアントの研修向上など願っているのは稀だ。

 

それに、クライアントが本気なら、これだけ情報が提供されている現在、

自ら情報にたどり着こうとするだろう。

本日、午後からオンラインで打ち合わせをする企業(誰もが知る業界1の企業)

も、優秀な人事の方が、直接連絡をよこされた。

 

直接なら、費用は半分、要望などの情報共有は100%

いいことづくめなのだが、その代わり、担当者に手間と意欲が必要だ。

 

たやすいことなのだけど、しない人が多い。おかしな話だ。(笑)